INTERVIEW

価値総研の人

データと理論から総合的かつ包括的に分析し、
分野横断的に経済や社会の課題にソリューションを提案する。

爲季 和樹

ポリシーエンジニアリング事業部

副主任研究員

システム情報工学研究科社会システムマネジメント専攻修了

2016年入社

価値総研を知ったのは、在学していた大学に価値総研の当時の事業部長が、非常勤講師として来ていたことがきっかけだった。事業部長は大学時代の指導教員の弟弟子でもあり、価値総研に関して話を聞く機会が度々あった。

当時、就職先として興味を持っていたのがシンクタンク業界。専門性を駆使して社会課題解決に取り組む業務に魅力を感じていた。就職か進学かで迷っていたが、事業部長に業界全般の情報や価値総研の特徴、業務内容、博士進学のメリット等を聞いて、価値総研について興味が湧いてきたとともに、博士課程への進学を決意した。
就職に際して最終的に価値総研に決めたのは、事業部長の話に加え、コンパクトな組織ながら高い専門性を有し、中央官庁などの大型案件を扱っていること、少数精鋭であることに惹かれたからだった。

MISSION

クライアントである中央官庁に向けた政策立案・提言、
複合的かつ横断的に知見を集積して最適解を目指す。

私が所属するポリシーエンジニアリング事業部は、政策に関する理論構築、定量的な分析・予測・評価等の技術、知識を活用して、中央官庁の政策立案・提言に関する業務を遂行しています。エンジニアリングとあるのは、ロジカルにトライ&エラーを繰り返し、クライアントに成果物を提供する工学的な手法を採用しているからです。クライアントは、国交省、経産省、環境省、総務省、農水省など多岐にわたります。これら様々な中央官庁の政策立案サポートを可能としているのは、価値総研のフレキシブルな組織体制にあります。当社の研究員は、都市計画や国土政策、地域産業、経済政策等、それぞれの分野で高い専門性を持ったプロフェッショナル達です。一つの政策テーマに対して、各分野の研究員が複合的かつ横断的に、チーム一体となって取り組みます。各研究員の多彩な知見を結集し、学術的な理論をベースに最適解を見出していくことで、ハイレベルな政策提案を可能としています。
私は、博士課程後期までの大学・大学院で得た統計学の知識等を活用し、ポリシーエンジニアリング事業部における統計分析全般を担当しています。また現在は、複数の案件のプロジェクトリーダーとして、プロジェクトのスケジュールやリソースの管理等も担当しています。

INTEREST

2050年の「カーボンニュートラル」実現に向けた、
「カーボンプライシング」導入に係る政策提言に感じたやりがい。

入社以来、様々な案件に携わってきましたが、近年取り組んでいるテーマの一つが、「カーボンニュートラル」に関するものです。政府は、2050年に我が国の「カーボンニュートラル」「脱炭素」実現を打ち出しました。その実現に向けて様々な政策が立案・実施されつつありますが、私が関わったテーマの一つが「カーボンプライシング」です。カーボンプライシングとはその名が示すように、炭素に価格付けすることで二酸化炭素の排出を抑制しようという政策のことです。その取り組みの一つに「炭素税」があります。炭素税とは二酸化炭素を排出する化石燃料や電気の使用量に応じて企業や個人に課せられる税金です。日本では炭素税の一種である「地球温暖化対策税」を取り入れていますが、税率は欧米に比べて10分の1に満たない低い税率であり、現在、本格的な「炭素税」の導入が検討されています。炭素税導入によって、二酸化炭素排出抑制の流れを加速することが期待されています。
しかし、炭素税が上乗せされることで、コスト上昇につながり企業の成長を妨げる要因になりかねないという意見もあります。そこで私は実際にカーボンプライシング導入が日本経済に与える影響について、様々なデータの定量・定性分析を行い、シミュレーションを実施しました。その結果、単なる導入ではマイナスの影響をもたらすが、税収を省エネや再エネなどの成長分野に投資すればGDPはプラスになる可能性を提言しました。この政策は審議会で発表され、メディアでも取り上げられました。自分の提言が国の政策を動かすインパクトを持ち得ることに、やりがいを実感しました。

VISION

クライアントの期待を超えるアウトプットを出し、
国民の満足度を向上させる新たな政策提案を目指す。

私見では、カーボンプライシングの本格的導入は、日本経済に大きなインパクトをもたらすと考えています。カーボンプライシング導入によって、新たな需要が創出され新しいモノやサービスが生まれてくることで、従来の重厚長大の産業構造から転換するトリガーになるのではないかと思っています。カーボンプライシングの取り組みは私の業務の一例であり、他にも現在取り組んでいるテーマに、全国約1700市町村の環境、社会、経済面の現状を総合的に評価する指標の開発があります。各市町村を総合的に評価することで課題を明確にし、地方創生・地方活性化に繋げていく取り組みです。
私がこれら調査・分析で心掛けているのは、クライアントの高い要求水準を上回る、期待を超えるアウトプットを出すために妥協しないことであり、クライアントの先にいる国民のことを常に意識することです。今後、自身の専門分野である統計学の専門知識や経済理論に基づき、データと理論から総合的かつ包括的に分析する、これまでにない手法を確立させたいと思っています。そして、分野横断的に経済や社会の課題に対するするソリューションを提案し、国民の満足度を向上させるような新たな政策の提案ができる、シンクタンク業界のリーダー的存在を目指していきたいと考えています。

ONEDAY SCHEDULE

1日のスケジュール

  • 10:00

    出社。
    メールチェック、作業進捗状況の確認。

  • 10:30

    社内ミーティング。
    欧米各国の循環経済に関わる調査報告。

  • 11:30

    次回のクライアントとの打ち合わせのための説明資料作成。

  • 13:00

    昼食。
    今日は同期女子3人で近場のレストランへ。
    上司やチームメンバー、パートナー企業と食べることもあります。

  • 14:00

    地域総合評価するツール開発、データセット構築業務。

  • 15:30

    外出。
    クライントである中央官庁の担当者と打ち合わせ、意見交換。

  • 17:00

    社内ミーティング。
    新たな政策テーマに関する提案内容を議論。

  • 19:00

    担当するプロジェクトの進捗状況の確認。

  • 20:00

    退社。